hibi no awaI AM WILLING TO SHARE THESE KINDA BEAUTIFUL DAYS.

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雪っこ 9 years ago
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昨夜の鍋で今年初めての春菊を食べた。春待ちの頃の春菊は美味しくて、このままもう少し晴れやかな気分でいたいなと思い、僕は鍋のお供に大切にとっておいた「雪っこ」を思い切って開けた。

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震災から一週間ほど経ったころ、「岩手県は今頃どうなっているんだろう?」という気持ちで東銀座にある岩手のアンテナショップを訪れた時、この陸前高田の酔仙酒造「雪っこ」というお酒を見つけた。酔仙酒造は津波で社屋、酒蔵が流されてしまい、このアンテナショップに並んでいた「雪っこ」は震災前に仕入れていた貴重なもの、とのことだった。僕はお酒をほとんど飲めない。でもこれはどうしても手元に置いておきたいと思い、そのいくつかを買わせていただきずっと冷蔵庫に寝かしていたのだった。

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昨夜の春菊たっぷりのつみれ鍋と「雪っこ」の組み合わせは素晴らしくて、美味しく酔った。もう飲めなくなった(と思い込んでいた)幻のお酒でしみじみとして眠ったのだった。

だから今朝、なんとなく開いた酔仙酒造のHPを見て僕は思わず声を上げてしまった。酔仙酒造の方々の努力により、場所は陸前高田から変われども「雪っこ」は見事復活を遂げ、なんとこの冬に仕上がった「雪っこ」の新酒が出荷され始めているとのことだった。もう飲めない幻のお酒だと勝手に思っていた「雪っこ」を、わずか1年弱で確かに復興させた人々がいるという現実と、自分の限界的な思い込みの差に僕は恥ずかしくなった。僕はまた、何か違うものに酔っていたようです。いつものことだけど。

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去年の今頃はもう、桜はかなり芽吹いていたのを覚えている。比べて今年は少し遅れているけれど、それでも蕾はちゃんと膨らみ、力を蓄えているのを日々の散歩で確認している。

桜が咲いたら。
この冬出たばかりの新酒の「雪っこ」を持って、上野公園に出かけよう。うまく言えないけど、そのことに酔うのではなく、美味しい「雪っこ」に気持ちよく酔いたい。たった1年でこんなのまた作って、東北の人はほんとにすげーよ!ってみんなで酔いたいなぁ。

春の楽しみがまたひとつ増えた。