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冷たい夕方、クリスマスはそっとやってきた。 9 years ago
今考えると僕が小さい頃からアメリカかぶれになって、「とりあえずどんな方法でも一度は渡米したい!」と思わせるきっかけになった2大洋画は、EASY RIDERとSMOKE。

あまりにも分かりやすくて恐縮ですが、小学生の頃に観たEASY RIDERの、あのとても乾いた大陸の風景とバイクスタイルに単純に憧れました(よね?みんなも)。映画を観た直後、父に頼み、チャリのハンドルをチョッパー風に改造してもらいました。サドルはもちろんギリギリまで下げて荷台にお尻を置いて乗ってたことを懐かしく思い出します。中学生のヤンキーには目を付けられましたが、、、総合するといい思い出です。ちなみに、現在は原付を乗るのもままなりません。

それから高校生の頃にビデオで観たSMOKE、ハーヴェイ・カイテルのダメ男のくせに内包してる冷めた優しさが伝わってきてすごくカッコよくて、上手く言えないですけど、全然ダメダメな学生生活を送っていた僕にとってこの映画はちょっとした希望でした。当時はこんな僕でもブルックリンに行けばきっといいことが、、、と夢見がちに真剣に考えていたんです(ちなみに東海岸、まだ行けてません)。それにSMOKEはトム・ウェイツを知り、原作者のポール・オースターという名前を知るきっかけにもなった大切な映画です。


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先日の「読書のフェス@うえの水上音楽堂」で翻訳家、柴田元幸さんが読んでくださったのはこのSMOKEの最後にも挿入された素晴らしい小話「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」(著・ポール・オースター/訳・柴田元幸)でした。恥ずかしながら、僕が柴田元幸さんという翻訳家の存在を知ったのは今から数ヶ月前で、編集者の岡本仁さんに「今度、カリフォルニアのジャック・ロンドン州立公園に行くのですが、その前にジャック・ロンドンの本を読んでおきたいので、お勧めのやつを教えて下さい」と尋ねたことが始まりでした。岡本さんは柴田元幸さんが翻訳した「火を熾す」をお勧めして下さり、僕はそれを読み、とりわけ表題にもなっている話「火を熾す」の、その精緻な表現力に感嘆したのでした。(もちろん、ジャック・ロンドンの原作がまず素晴らしいのでしょうが、柴田元幸さんの翻訳も超絶です。いやこれは言い過ぎじゃなくて。「火を熾す」超お勧めですので、ぜひ読んで下さいね。)

さて、「読書のフェス@うえの水上音楽堂」で初めて聞いた柴田元幸さんの生朗読「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」は実に味わい深くて素晴らしくて、僕はSMOKEのワンシーンを確かに脳裏に浮かべながら聴いていました。自家翻訳作品で思い入れもあったのでしょう、身振り手振りをつけた淀みない朗読は柴田さんならではだと思いました。夕方に入り、会場が寒くなってきた状況もすごく良かった。ワインを友達と飲みながら温まりながらすごく冴えた頭で朗読に耳を傾けていました。「まだまだ先だけど、クリスマスは確かに皆のところにやってくるんだよなぁ」と年甲斐もなくしみじみと鼻をすすってみたり。

ということで「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」が僕的この日のベストアクトに決定!

ちなみに貼付けた画像は平松洋子さんが「州崎パラダイス」の一節を読んでいるところです。これもよかった!


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ところで、さっきYOUTUBEで柴田元幸さんによる「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」の朗読を見つけてしまいました(音声のみ)!感動がよみがえりますね。すごい便利な時代です。でもやっぱりまた、ライブで朗読を聴いてみたいものです。リンク貼っときますね。

「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」