いくえみものに夢中 |
11 years ago |
微妙なんだけど、お盆休みの間にいわゆる「少女マンガ」にはまっていた。
いくえみリョウ?アヤ?という人の「潔く柔く」という作品に夢中だった。
香川県にある副社長の実家は田んぼの真ん中で、つまり周りには田んぼしかないのだけど、近頃、歩いて15分くらいの県道沿いに「YOUMEタウン」という商業施設ができた。
一階はスーパーになっていて、二階から色んなお店が入っている。楽しい。
西新井アリオをひとまわり小さくしたような感じで、住民の集いの場となっている。
僕らも毎日、暇だったのでとぼとぼ歩いては、集っていた。
副社長は本屋で「ああこの人なつかしい!」と「いくえみもの」を買い込み、3階のフードコートでたこ焼きをつまみつつ読書に励み、家に帰ったらまたゆっくりと読み直していた。
一日に3冊づつ。
続きを思いながらまた明日。
この間、彼女は高校生の頃に戻っていたんじゃないかな。
なんとも豊かな表情で、その女学生(副社長)は読み進めていたものだから
隣でそれを眺めていたおっさん(僕)は気になって仕方ない、
いよいよ彼女の居ぬ間にこっそりと。
「いくえみもの」に手を出してしまった。
俺、30越えて「いくえみもの」に手を 出しちまったYO。
ええと、おっさんが言うのは恥ずかしいけれど、しょうがない。
人々の描写が生き生きしていて、なんとも素敵じゃないですかこれ!
テンポもよくて、引き込まれてしまいます。
これが少女マンガってやつ?レディースコミック?レデコミ?
というか、
「少女マンガなどという半ば茶化したジェンダー的表現はいかがなものか?」
と思ってしまうほど、性別問わず楽しめる素晴らしい完成度です。
もうね、これは文学。
おっさんも(みっともなく、強引にだけど)感情移入できる、もう、文学ですよ。
いくえみ綾著「潔く柔く」は、僕ら「しおれ始め世代の野郎ども」の
この夏の課題図書であると断定させていただきます。
言いすぎかな。
でも、いいんですよとても。
追記:
田舎町では10巻(最新巻!)を手に入れることができなかったので
東京に戻ってすぐに、御茶ノ水までチャリを走らせました。
少女まんがコーナーはやたらと広く、完全アウェイでしたが、店員さんに聞くのは異常に恥ずかしかったので、「ええと、ホワッツマイケル、ホワッツマイケルは・・・?」と小声でカモフラしつつ自力で見つけ出しました。
レジのおばちゃんに「カバーは?」と聞かれたけれど、「(当然)いりませんよ」とニコリとクールに対応。夏の終わりに、ちょっと成長できた?
せっかく御茶ノ水まで来たので、
ガイアに寄って、ちょっと仕入れして
好物のみかんサイダー(ほんと美味しい)でひとり小さく乾杯。
1人でちゃんと、「いくえみもの」を買えた夜は
炭酸の音と、夏の抜け殻と一緒に
ゆっくりとふけていくのでした。