旅ベーグルの味

元来、ベーグルはユダヤの方々の伝統的な食べ物で、
その栄養価の高さから、産後のお母さんにはお祝いとして、
また、赤ちゃんの離乳食としても大切に扱われてきました。

旅ベーグルでいつも焼いているのは、
「プレイン」 「レーズン」 「デュカ」の3種類です。

パンはやっぱり日々のものであり、
ベーグルもそうあればいいなと思います。

ということで、僕が毎日でも食べられる、
3種の生地を基本に、捏ねています。

「プレイン」はしっかり、小麦粉の味が楽しめます。
「レーズン」はこれでもかと、南カリフォルニアの味が楽しめます。
「デュカ」はそうだ、砂漠のにおい。中近東の香辛料が不思議な踊る楽しさです。

あと、週替わりのベーグルを焼き始めました。
例えば、いちぢくとクルミのベーグルなど、
定番っぽいものが当店では週替わりという、だらしない状況ですが
よろしければ御注文下さい。


「手にとって 想像して 何だか楽しい気がする。」

当店のベーグルがそうあればよいなと、本当に思います。




旅ベーグルの素材

なるべく 体にうれしいものを
選んで 楽しんで 使っています。

小麦粉は、
カナダ・マニトバ州産の減農薬強力粉を使用してます。
日本国内では、土壌の問題で、ベーグルに適した、高タンパクの小麦粉は採れません。
世界中でベーグルファンを虜にしてる(らしい)、素晴らしき小麦粉。
もちもち、しっかりと、釜の中で伸びてくれます。

でも、それだけではなんだか物寂しいので
超強力粉に
国産有機全粒紛加えています。
全粒紛は生地に特徴を出すためだけの素材ではなく、
むしろ、小麦丸挽きによる、無理のない自然なバランスを想像します。
その組み合わせ、そうだなそれは。
何となく、硬派な同級生(超強力粉)を
合コンに誘い出す、ゆるい幼なじみ(全粒紛)といった感じでしょうか?
飲んだ後のカラオケではきっと、意外な盛り上がりをみせるでしょう。
不思議な二人。
それは、微笑ましい配合。

その2種の小麦粉に加えて
現代小麦粉の原生種と言われている、スペルト小麦を合わせています。
こいつははるばる、オーストラリアからやって来ました。
古代種ならではの力強い味わいも魅力。
有機土壌で育てられた、このおじいちゃんこそ、
何気に栄養価が非常に高い 信頼できる、粉のまとめ役です。

北海道で作られた、てんさい糖で甘みを加えています。
甜菜(ビート)は静かで厳かな北の大地で育ちました。
体に優しい、そのおおらかな味は
じっと春を待つ、静かな想いを代弁してるような気がします。
生地への馴染みも素晴らしい。
北国の小麦粉には、北国の素材で甘やかしてやるのです。

塩は、
南仏ゲラント地方から届いた干塩を細かく砕いて使用。
海草と潮のにおいを閉じ込めて、
味わいは、さらり、旅に出た感じがするように。

酵母は、世界遺産・
しらかみ山地で見つかった、こだま酵母
力強い、野生種の天然酵母です。
旅ベーグルを大きく育てる、大切な種。

レーズンは、太平洋の向こう、カリフォルニアの農園からやってきました。
西海岸の音と空気が、今日もオーブンの中でパンと弾ける。

デュカとは
中近東のスパイスミックスです。
例えるならば、インドのガラムマサラ、フランスのブーケガルニみたいなもので、
各地方、各家庭で配合が全然違います。
クミン・コリアンダー・アーモンド・フェンネルなどなど、
旅ベーグルオリジナルのデュカをお楽しみいただければと思います。


それらの素材がオーブンの中で丸くつながって
するする 膨らんでいる。


ほら。もう、旅してるみたいだ。



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